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欠片 [短編]

バラバラだった欠片がひとつになったような気がした。


毎年繰り返す後悔と心の痛みと

自分でもどうする事もできない虚空感。


そんな時、無言で支えてくれたのは他ならぬ塔矢だった。

何も聞かず慰め言わず行動と態度で前へ進めと引っ張ってくれた。

頑なだった俺の心を少しずつ溶かしてくれた。


俺だけが知ってると思っていた佐為は多くの人に

欠片を残していた。

俺はその欠片を集めるように多くの人たちと対局した。

その度に何かが戻ってくる気がした。


そして今、塔矢との対局を終えて形としては存在しないけれど

佐為が戻ってきたのだと思った。



お帰り、佐為。


俺、頑張ってきたの見てくれてた?






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