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消せない想い [短編]

「天国、いや極楽ってあると思う?」

出張先に移動中に唐突にヒカルは言った。

目を丸くしてアキラはヒカルを見る。



「キミがそんな事を気にするなんて意外だな」

少し呆れたような顔。

言葉を待たずに続ける。

「地獄に行くのが怖いのか、まさか」


「・・・別に俺が何処に行くかなんてどうでもいい。

ただ、俺は・・・・」


あいつ(佐為)が極楽とやらで笑っていたらいいなと

思ったんだ。

その言葉は口にしなかった。

何故余計な事を言ってしまったんだろう。

きっと搭矢は勘繰るだろうに。


他の奴といる時はこんな事はないのに。

それだけこいつが俺の警戒心を解いてしまってるという事かもしれない。



「?」

怪訝な顔で見ている。



「キミは時々突拍子もない事を言うな」


「・・・・・・」


何か言えばボロが出そうだ。


「それはそれでキミらしいが」



キミの口の堅さは知ってる。

だからこれ以上問わない。

だがそれはキミが生まれた今日だから。


だけど明日からは手加減しない。

アキラは一瞬だけ拳を握りしめた。













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