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消せない想い [短編]

「天国、いや極楽ってあると思う?」

出張先に移動中に唐突にヒカルは言った。

目を丸くしてアキラはヒカルを見る。



「キミがそんな事を気にするなんて意外だな」

少し呆れたような顔。

言葉を待たずに続ける。

「地獄に行くのが怖いのか、まさか」


「・・・別に俺が何処に行くかなんてどうでもいい。

ただ、俺は・・・・」


あいつ(佐為)が極楽とやらで笑っていたらいいなと

思ったんだ。

その言葉は口にしなかった。

何故余計な事を言ってしまったんだろう。

きっと搭矢は勘繰るだろうに。


他の奴といる時はこんな事はないのに。

それだけこいつが俺の警戒心を解いてしまってるという事かもしれない。



「?」

怪訝な顔で見ている。



「キミは時々突拍子もない事を言うな」


「・・・・・・」


何か言えばボロが出そうだ。


「それはそれでキミらしいが」



キミの口の堅さは知ってる。

だからこれ以上問わない。

だがそれはキミが生まれた今日だから。


だけど明日からは手加減しない。

アキラは一瞬だけ拳を握りしめた。













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あけましておめでとうございます [ご挨拶]

十二月十四日のアキラくんの誕生日をスルーしてしまって

本当にすいません。

決して忘れたわけでなく妄想する時間がなくて・・・・。

こんな管理人ですが今年もよろしくお願いします。

皆様にとして良き一年でありますように。
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アニメ化二十周年 [管理人の独り言]

『ヒカルの碁』のビデオは北斗杯以外

すべて持っていますが、もうそんなに経つのかと思いました。

ヒカルの声を担当された川上とも子さんも緒方先生の声を担当された

藤原啓治さんも鬼籍に入られて時間の速さを痛感します。

古いアニメの部類に入るかと思いますが

映像がとても美しく対局シーンは鬼気迫るものがあり

とてもレベルの高い作品だと思います。

佐為の声をなさった千葉進歩さんの『私の声が聞こえるのですか?』

とヒカルに語り掛ける声が本当に神秘的で綺麗でした。

それでぐっと惹き込まれたことを今でも鮮明に覚えています。

またイメージを膨らませて何か書けたらいいなと思います。

その前に停滞している話を進めなくてはいけませんが。
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流れない水と消えない想い [短編]

ヒカル・・・

貴方には輝く未来が待っているのですよ


私の事を忘れずにいてくれるのは

とても嬉しいですが

前を向いて歩いて欲しい。



俺はいつまでたっても

十四歳のままなんだ。

佐為が消えたあの時から

止まったままだ。


心が体の成長に追いつけないままだ。



流れない水は腐ってしまう。

貴方はそうなってはいけない。



なんと皮肉なことか

朽ちる事のできない私と

前に進めないヒカル。



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誤字が・・・ [管理人の独り言]

私はイラストロジックが好きで

ずっと購入しているのですが

解答が「藤原佐為」だったのですが

書かれていたのが「藤原差異」・・・・

苦笑いするしかありませんでした。
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あけましておめでとうございます! [ご挨拶]

『鬼滅の刃』の人気がすさまじいですね。

ここ何十年か『ジャンプ』を愛読していなかったので

出遅れて観始めました。

同じ『ジャンプ』の作品として『ヒカルの碁』を知って下さり

いい作品だと思って下さる方が一人でも増えたら嬉しいです。
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想い [短編]

何もなかった俺に戻るだけ

普通に進学して普通に就職して

普通に・・・誰かと結婚して

子供を設けて孫が出来て・・・

ああ、いい人生だったなって

思いながら死んでいく。



普通って何だよ!


俺はそんなもんどうだっていい!!


これからの人生全部とっかえて

俺はもう一度あいつに会いたい・・・

会いたいんだよ!




久しぶりに昔の夢を見た。


息をすることも忘れるくらい。

あいつでいっぱいだった。

あいつが居なくなって

夢と現実がぐちゃぐちゃだった。


認めたくなかった

もう会えないというどうしようもない残酷な現実を。




それでも時は流れていく

俺がそこから動けなくても。







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もうすぐ九月二十日・・・ [管理人の独り言]

ヒカルの瞳の輝きは誰にも消せないでしょうし、

アキラくんの碁に対する情熱は消える事はないでしょう。

飽き性の私には眩し過ぎますし落ち込みそうです。

どう考えても私は通行人Aがいいところでしょうから。

脳内で妄想を膨らませよう・・・。
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やばい・・・・ [管理人の独り言]

○-チュウブで公式チャンネルでアニメを観て再はまりしそうです。

やっぱりいいものはいいし色褪せない。

また続きを書こうかな。

二人が二局目を打つ二人。

川上とも子さんと藤原啓治さんが・・・。

思わず泣きそうになりました。
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父、塔矢行洋 [短編]

ボクの絶対的存在であった人物は父だった。

物心ついた時から父を目指し、越えたいと思っていた。


語るよりも目で示唆する。

言葉にするのが不器用な人。

いや、言葉など必要ないと思っているのかもしれない。

それでいて冷たいわけでなく

正しい道に導こうと考えてくれている。


しかし、そんな関係が少しずつ変わってきている。

タイトルを惜しむことなく自由に打つ為に手放した。

そんな父に疑念を抱いたこともあった。

思い切って『どうして?』と

問おうとしたが止めた。

その時、ボクは父とボクは違うのだと知った。

理由を聞いてもボクには理解できないかもしれない。


ボクとお父さんの間でお母さんは懸け橋になってくれている。

 
「アキラさん、お父さんが聞いていらっしゃったわ。もうすぐアキラの

誕生日だが、何を贈ったらいいだろうかって?」

久しぶりの母の声に懐かしさがこみ上げてくる。

中国に行ってから随分と時間が過ぎていた。


「別にこれとって欲しいものはありませんが」

申し訳ないが本当に今欲しいものはない。

「私もそう言ったのよ」

「お父さんはそういう事は余り気にしない方ではなかったのに」

「現役の頃は必要以上にお互い棋士という事を事意識なさっていたから

それがなくなって何かを贈りたいと思ったのでしょうね」

「では、今度こちらに戻られたら食事をしましょうと

伝えてください」

「ええ。そう伝えるわね。アキラさん、くれぐれも体に気を付けて」

「はい。お母さんも気を付けてください。お父さんにもよろしく」


父は携帯電話を持っていない。

多分持っていたとしても自分では電話はしないだろう。


父は囲碁以外は無頓着だ。

母のサポートがなければ到底暮らしていけない。

少しだけ羨ましい気がした。

自分の時間をすべて碁に費やせる。


ー十二月十四日ー

対局が終わって帰宅しようとすると携帯電話が震えた。

「?」

と思って見ると母の携帯電話の番号だった。

何かあったのでは?と少し不安になりながら出ると

意外な人の声がした。


「・・・アキラか?」

「お父さん?」

もしや母に何かあったのではと驚いた。

父にもそれは伝わったらしい。

「明子も私も特に変わりない。年末にはそちらに帰るので

その知らせだ」

母でなく父が?

「・・・・おまえは小さい頃から茶碗蒸しが好きだったから

日本料理の店を明子に予約を頼んだ」


不器用な父らしい・・・。

思わず笑いそうになった。

多分、自分のせいでボクが囲碁の世界に入ったのではと

気にしているのだろう。


「ありがとうございます。楽しみにしています」

今までの父とは少しずつ違ってきている。

その父も以前の父もボクは好きだ。








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